今回は、励まさなかっただけの話です。
最初にPCMAXで知り合った、まりなちゃん(仮名)という子の話をします。
28歳、立川の特別養護老人ホームで働く介護福祉士。ひとり暮らし。化粧っ気のない、静かな人でした。
やり取り9日で会って、その日の夜に今の関係になりました。
ただ、この回は「9日で落とした」みたいな話ではありません。
きっかけは、彼女が担当していた利用者さんが亡くなった日に書いた日記でした。
こう書くと不謹慎に聞こえるかもしれません。私も書きながらそう思っています。
それでも書くのは、出会い系でいちばん効くのは共感でも励ましでもなく、何も言わないことだと、この回ではっきり分かったからです。
なお以後、彼女のことは仮名で「まりなちゃん」と呼びます。

掲示板ではなく、日記から
PCMAXには「日記」という機能があります。ブログみたいなもので、写真と文章を投稿できる。
正直、ほとんどの男は見ていません。掲示板と違って「会いたい」と書いていないので、効率が悪く見えるんですね。
でも私は、掲示板がスカだった時期からここを見るようになりました。
理由は日記を書く子は、会いたいのではなく、聞いてほしいから。そして、聞いてほしい人のほうが、実は長く続くからです。
まりなちゃんの日記は、内容が地味でした。夜ごはんの写真、職場の休憩室の窓、買った入浴剤。週に2〜3回、淡々と。
そこに、いつもと違う投稿が上がりました。
「今日、担当してた方が亡くなりました。分かってたことなのに、思ったよりだめでした」
コメント欄には、すでにいくつか付いていました。
「大変だったね」「まりなちゃんは頑張ってるよ」「お疲れさま、飲みに行こう」……全部、励ましです。

私が書いたのは、一行だけ
私が書いたコメントは、これです。
「そうですか。今日はもう、何も考えずに寝てください」
以上。励ましも、共感も、質問も、飲みの誘いも入れませんでした。
これは技術というより、単に自分の経験です。
身内が亡くなったとき、私も「頑張って」と言われるのが一番きつかった。頑張れないから、しんどいわけで。

返信は翌日の夕方でした。
ここから9日間、やり取りが続きます。
話したのは、仕事の話が半分。夜勤明けに食べる納豆ごはんがいちばんうまいとか、そういう話です。
私は一度も「大変な仕事だね」と言いませんでした。介護の仕事を褒めない。これも意識してやったことです。
彼女いわく、「立派ですね」と言われるのが一番きついそうです。立派なつもりで働いていないので、と。
会ったのは、彼女の遅番明けの夜
会おうと言ったのは、9日目。彼女からでした。
「今週、遅番明けの日があるんですけど、その日って夜遅くなっちゃいます。それでもいいですか」
もちろん、と返して、指定したのは立川の定食屋です。
おしゃれな店にはしませんでした。理由は、彼女がその時間に食べたいのは、絶対に温かいごはんだからです。
21時半に現れた彼女は、髪をひとつに結んで、グレーのスウェット。ほぼすっぴん。
「すみません、着替える気力がなくて」と言われましたが、こっちからすれば、その格好で出てきてくれたこと自体が答えでした。
焼き魚定食を、ものすごい勢いで食べていました。
食べながら、ぽつぽつ話が出てきます。人手が足りないこと。腰が痛いこと。同期がどんどん辞めること。
そして、これでした。
変じゃないです。全然、変じゃない。
弱っている人は、誘ってくる人を全員疑います。だから、あの日に誘わなかったことだけが正解だったんですよ。
そして、コンビニの駐車場で
店を出たのが23時前でした。
私は「送るよ」とも「もう一軒」とも言いませんでした。ただ、駅とは逆側にコンビニがあったので、なんとなくそっちに歩いた。
彼女が缶コーヒーを買って、駐車場の縁石のところで飲みながら、しばらく黙っていました。
私も黙っていました。ここで気の利いたことを言う必要は、たぶんなかったので。

先に口を開いたのは、彼女でした。
「……まだ、帰りたくないです」
……続きは、例によってここには書きません(笑)
ひとつだけ書いておくと、私はこの日、一度も自分から誘っていません。
日記のコメントも、会う約束も、最後の場面も、全部向こうから出た言葉です。
黙って隣にいるだけ、というのが、9日間ずっとやっていたことの全部でした。
今は、2ヶ月に1回くらい
あれから、まりなちゃんとは2ヶ月に1回くらい会っています。頻度は低いです。
理由は彼女の勤務がきついからで、これは仕方がない。
連絡も向こうからだけ。「来週、久しぶりに連休なんですけど」と、忘れた頃に来る。私からは誘いません。
一度だけ、彼女が「私たち、これって何なんですかね」と言ったことがあります。
私は既婚なので、そこは最初にはっきり伝えてあります。ごまかしません。ここで嘘をつくと、あとで必ず全部壊れます。
彼女は「分かってます。聞いてみただけです」と笑って、その話は終わりました。
以来、その話は一度も出ていません。

この体験から言えること(失敗も含めて)
裏側も書いておきます。
この時期、日記のコメントは15人分くらいに書いていました。返信が来たのは4人、会えたのは1人です。
打率は掲示板よりずっと低い。効率だけで言うなら、日記まわりは明らかに悪い手です。
しかも、うち1人には「コメントが気持ち悪い」と言われました。これは本当にへこみました。
弱っている投稿にコメントを付ける行為は、一歩間違えると完全に地雷です。そこは正直に書いておきます。
そのうえで、まりなちゃんの件で効いたのはこの3つでした。
- 励まさない・褒めない・誘わない(弱っている人は、誘ってくる人を全員疑います)
- コメントは一行で終わらせる(長文は、それだけで下心の量に見えます)
- 会うときは、相手の生活時間と体調に合わせる(遅番明けにおしゃれな店は拷問です)
それと、既婚であることを最初に言うかどうか。私は必ず言う派です。
黙っていたほうが短期的にはうまくいきますが、バレたときに終わるのは関係だけじゃないので。
まとめ:まりなちゃんに会えたのは、PCMAXだったから
最後に、なぜPCMAXだったのか。
理由は、日記機能がちゃんと生きているからです。
掲示板しかないサイトだと、こういう子とは一生すれ違います。彼女は「会いたい」と一度も書いていないので。
日記があるサイトでは、会う気がない人の日常が流れています。そこにしかいない人がいる。
そして、日記のような地味な機能に人が残るのは、母数が大きいサイトだけです。
会員数2,000万人のPCMAXだから、地味な機能でも毎日新しい投稿が回っている。過疎サイトの日記は、半年前の投稿で止まっています。
登録は無料です。掲示板で疲れたら、一度「日記」を眺めてみてください。
そこには、会いたいと書けないまま、誰かに聞いてほしいだけの人がいます。
……ただし、励まそうとしないこと。それだけは、本当に気をつけてください。

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